学んだ文法がすぐに身につかないのは当たりまえ
M大学はProject Presentation
駅までのバスは、高校生の夏休みが始まったのか、とても空いていて、ゆっくり座れた。
今日はM大学のPBL (Project-based Learning)クラスの授業で、クラスのチーム半分がプレゼンを行った。今週と来週の2回に分けて行う。
が、朝2年生の教室に入ると、29名いるはずのクラスには5,6人しかおらず、いやな予感・・・
クラス直前で2名から、体調が悪い、おばあ様が急病、など、連絡が入った。
結局、プレゼン予定だった4チームのうち2チームのメンバーの一部が欠席となり、さっそくネゴシエーションが始まった。
結果、1チームは来週に回り、もう一チームは今日欠席のメンバーの分を省いてプレゼンを行うことになった。
3チームのプレゼンを観たが、断然みんなうまくなっている。
トピックはそれぞれ、'Suicide', 'Impact of subscription services', and 'anime and manga'だった。
特に、シャイで原稿をみながらぼそぼそとしか話せなかった学生は、コミュニケーションがうまい学生と同じチームになったためか、だいぶ大きな声で話せるようになっていた。だが、原稿からはまだ目が離せない。
1年生のクラスでも、1人が体調不良、もう一人はコロナ感染で2名が欠席。そのうち一人はプレゼン予定だったが、このチームも欠席者の分を省いてプレゼンを行った。
2チームのプレゼンの内容は、'Sleep and happiness', and 'Music and business'だった。
1年生のクラスもだいぶ原稿から目が離れるようになってきている。このまま順調に伸びてくれると良いが。
ロシア人同僚の嘆き
授業の合間にいつもさくらカフェというカフェによって、カプチーノとシナモンロールを買って講師控室に戻るのだが、最近よくロシア人の同僚(英語の先生)とばったりそこで会うことが多く、会えた時にはカフェでおしゃべりする。
またこれが良く話すので、長くなる・・・
彼女のクラスもプレゼンだったそうだが、どうも話を聴いていると、彼女のクラスはトピックが決まっており、文法を厳しく審査しているような印象だった。
そして、教えた文法が全くできていなかったからショックだった、と嘆いていた。
それって、実は言語科学的に、教えた文法はすぐには使えるようにならない、ということがわかっている。
Krashenという学者は、教えるな、と強調する。Comprehensible Inputといって、自分が理解できる文法・語彙よりも少し上の内容をひたすらインプットすることを提唱している。学習者はそれで勝手に学ぶのだと。
なぜなら、文法習得には順番があるというのだ。なので、その順番を翻して教えたところで、学習者は使えるようにはならないというのが彼の主張だ。
それに異議を唱える学者もおり、Inputだけだとスピーキングは伸びないという研究結果を突き付けてPushed output(アウトプットを促す)も同時に必要だと主張している。だが、Comprehensible Inputの方は、おおかた賛成も根強く、Extensive Reading(多読)が流行っているのもうなずける。
ということで、この同僚が嘆く気持ちはとても分かるが、科学的にはできなくて当たり前だと考えるのがよさそうである。
ちょっと堅い話になってしまったが、昔読んだ内容を思い出しながら、私もPushed outputしてみた。(笑)