還暦前の遅咲き研究者たちとの交流
今週は人生の先輩方とお会いする機会があったので、彼女たちのことについて少し書こうと思う。
何を隠そう、私がアカデミックな世界に入ったのは40に入ってからだった。
もともとは某大手英会話学校で教えていたが、同時に外資企業で秘書兼通訳の仕事や翻訳の仕事も行ったりしていた。
英語を教えることも得意に感じていたし、楽しかったが、だんだん「ネイティブ」じゃないということに劣等感を感じることがあり、「みんなネイティブに英語を教わればいいじゃないか・・・」と言うところまで達してしまった。
ところが、ある日、YouTubeでEnglish as a Lingua Franca(ELF)という概念に出会い、ネイティブ英語よりもワールドイングリッシュを話す人口の方が多い、という事実に直面。そっちなら教えられる!と思い、思い切って方向転換。TESOLで修士課程に進んだのでした。
まあ、世の中そんなに甘くはないのだが・・・
そして、今度は40半ばになって修士を終え、大学で教えられるようになったものの、このままでいいのか・・・という気持ちでモヤモヤしていた。
そこに、たまたまとてもパワフルな女性二人と話すことができて、元気をもらったのだ。
A先生
A先生は今年還暦。なんと今年4月から修士課程を始めたのだ。
正直、修士修了して、そのあとのキャリアでそれが生かせるのかな・・・という疑問があったのだが、本人はこう言い放った。「思い出作りのためヨ。」(笑)
まあ、これはちょっと冗談交じりなのだが、ずっと英会話や資格英語業界に携わってきて、修士を持っている人と話すたびに、先生も劣等感を感じたのだと。
修士を終えたからと言って、大学で教えたいとか、給料上げたいとか、そんな欲望はなく、あくまでここまで教えてきたことをベースにさらに知見を広げたいとのこと。
そして、今回ディナーをご一緒して、今の大学院のコースの課題や修士論文のことについて話す彼女は本当にきらきらと輝いていた!
何か役に立つことがあれば全力で応援したい。
r.gnavi.co.jpB先生
B先生は50代後半。50になって修士を終えた。
主に児童英語教育とCLIL(Contents and Language Integrated Learning)に従事なさっている。どちらも非常勤というポジションだが、自費でヨーロッパ研修に行ったりと、とても意欲的に活動されている。
実は、来年は彼女がCLILクラスを担当している大学の5年契約が終わり、1年おいて再度契約する予定で、その空白の1年を埋めるために私が抜擢された。
今回はZoomでいろいろ教えてもらったのだが、海外の大学とコラボして自分の学生と相手大学の学生が協働作業するような内容のクラスを行ってきていたらしい。
そして、この空いた1年の間にいろいろ海外で習い事をしようと思っていたが、どうせ留学するなら大学院に行って、自分の大学に戻ってきたときに使えるスキルを身につけようかな、と話していた。
なんとパワフルな!
どちらの先生も家族構成が似ていて、娘さんが一人いらっしゃるが、それぞれ独立、な時期だそうである。そこを見計らってのさらなる自己研鑽。
彼女たちよりも10年ほど未熟な私は、やれ忙しいだの、これから研究しても、だの、言い訳だらけでここ3年ほど研究の「け」の字もやっていなかった。
今週このお二人とお話しして、私もまだやれることはあるなと感じた。
PhD、ありかもしれんな・・・苦笑