Teaching is Learning ~教えることは、学ぶこと~

都内の大学で英語を教えています。日々のティーチングや研究についてつづります!

PBLL、TBLT関連&Dornyei先生訃報

どうも最近メガネのせいか、手元が狂います。

今日も淹れたコーヒーを小さなポットに映すときにこぼしてしまい、イラっと・・・

「たかがコーヒーじゃないか」、と言い聞かせたのでした。

今日は3,4限だったので、ゆっくり11時に家を出発。

PBLLの本を読みながらの通勤だったのですが、かなりインスピレーションをもらいました。

読んでいて気づいたことは・・・

  • Production(成果物)はいろんな形でよい。たとえば、パワポのプレゼンはもちろんの事、ポスター、ドラマ(寸劇ー(笑))、ビデオなど。
  • 学生同士がリモートで会話できるスペースが必要。(Lineやマナバのプロジェクト機能を使うなど。)
  • また学生がコラボするライティングというのも面白い。Wikiプロジェクトなど。
  • こういった本ではたいていオーディエンスが刺激的で、実際にコミュニティーの中の主要人物とかを対象にプレゼンしたりするのですが、現時点で私の大学では難しいだろうな・・・
  • インターナショナルなので、例えばロシア人、ハンガリー人、カナダ人の先生にインタビューするとかは全然ありだと思う。など。

さて、今日もK大学でアカデミックリスニングのクラスでした。

Week 10は水曜日が最初なので、初めて教える内容です。

なんだか時間が足りないなーと思ったら、冒頭に小テストをやったので、ちょうどシャドーウィングを導入しようとしていた20分が足りない計算でした。トホホ。

休み時間には同僚のお兄さん先生(とても若くていらっしゃる感じ)と専門について談笑。なんと、修士号を二つも持っていらっしゃる!!若いのに!!

言語学と神経言語学?だそうで、私も興味のあるモチベーションが修論だったらしいです。

じゃあ、先日亡くなったZoltan Dornyeiさんの訃報はご存知かなと思い聞いてみたら、まったくご存じなく、授業前に大変なショックを与えてしまいました・・・

ツイッターで知りました。😿

本当に言語学業界では衝撃が走っています

いつか講義を受けたいと思っていたのに・・・まだ62歳だそうです。

話がすっかりそれましたが、4限も割と順調に進みました。

多分リスニングの内容がSports & Technologyだったので、割ととっつきやすかったのかもしれません。

みんなノートもしっかり取れていました。

帰りはこれまた素敵なTBLTに関するWebinerの動画を見つけました。

www.teachingenglish.org.uk

明日のレッスンから使えるアイデアが満載です!

ということで、夜は昭和歌謡をちらっと観て懐かし!と思いながら夕飯でした。

今の学生は音楽好きだなーと思っていましたが、自分もあの頃はよく聞いていて、どの歌でも一緒に歌えたのでした。(笑)

電車でのプチパニック症状、からの5時間授業

K大学は通勤に1時間半ほどかかり、また一コマが100分と、他大学の90分より10分長いことにより、体力を使う授業です。

まず通勤について話すと、私は気づいた時から混雑している電車でパニック症状が出るようになりました。

よって、できるだけ電車がすいた時間帯や、最悪各駅停車で通勤するように心がけています。

大学の授業はほとんど2限以降なので、ひどい混雑はなかったのですが、昨日は調子に乗って女性専用車ではなく普通車両に乗ってしまったのでした。しかも急行の。苦笑

案の定、多くの人が乗り換える駅で「あ、これは(パニック)来るかな・・・」と思ったのですが、あと二駅だったので「いけるいける。」と言い聞かせましたが、あのパニックが来る直前の血の気の引いたような気分が襲い、慌てて、「すみません、降ろしてください!!すみません!!」

と言って何とか電車から脱出することができたのでした。

そんな調子で迎えた2限目のリーディングのクラスでは、いまいちの盛り上がりとなり、少し落ち込んでしまいました。

なぜ盛り上がらなかったのか・・・

迷ったのです。

予定していたのは、リーディングの後に、Awareness-raisingアクティビティ(リーディングの中からキーとなるフレーズやグラマーポイントを抜き出して学ぶアクティビティ)とグループアクティビティを準備していたのですが、時間が無くなり、迷った挙句、前者を選んでしまった・・・

これが学生にとっては結構地道な作業。

英語が得意な学生はすらすら行けるのですが、そうでもない学生はかなりつっかえており、Scaffolding(補助)が多く必要でした。

この後にWrap-up。そりゃヒーヒー言いながらの作業で授業が終われば盛り下がる・・・苦笑

もともと服飾系の学科の学生はリアクションが少ないのですが、余計テンション下がっていたような気がします。

ま、気にしませんが。(笑)

最近、上手くいかなかった授業について、だらだら気にするのはやめるように心がけています。

そして、午後のリスニングのクラスは予定通り。

グループワークはちょっと短くなりましたが、テーマが「Body Language」だったので、各グループで他国の面白いBody Languageを探して、他のグループに発表しました。

私も知らないBody Languageがたくさんあって、お互いとても勉強になったのでした。

月曜日の3コマを終えると、とにかく足が痛いです。ずっと立ちっぱなし、歩きっぱなし・・・

よくよく計算すると、一コマ100分を3コマやると、全部で5時間。この間座ることなく授業を行うと、足が棒とはこのこと・・・

帰りの電車はそれほど混んでいなかったので、気持ち的には余裕がありましたが、座れずにまた1時間半たちっぱなしで、帰宅後はいったんソファーにうなだれるのでした。

夜、オンラインのプライベートレッスンの生徒さんから、前回のレッスンで私がオススメした「シャーロック」(アマプラで観られるようになりました!!)を観てみる、と連絡が。

その後、5分観たけど目がショボショボで限界だと。

私も同じ状況だったので、お互い「Good night!」と寝床へ着いたのでした。

 

 

今後のキャリアを検討中

今後のキャリアについて、若干迷っています。

今は3つの大学の非常勤講師+オンラインプライベートレッスン1件で何とか食べてはいけています。

ただ、全体の収入が秘書兼通訳時代の3分の2ぐらいになってしまっているのがどうも腑に落ちません!!苦笑 

大学院の学費分が回収できん!!

考えられる今後のキャリアは

  1. このまま
  2. 個人事業をもっと充実させて、非常勤<個人事業で様子を見る
  3. 常勤(または正社員)の仕事を探す

一番現実的ですぐできるのは2.かなと考えています。

とりあえず、夏休みの間にオンラインレッスンを拡充していってみようかなと考える今日この頃です。

大学の仕事は夏休みの1か月半ぐらいと春休みの2か月半ぐらいはお給与をもらいながらフリーになるので、その間にうまく個人事業を発展できないかなと考え中です。

すっかり夏の夕暮れ

 

何語で英語を教える?

English lesson

大学の前期の前半が終わり、今週は中間試験を行っているクラスもあるのではないでしょうか。(私のクラスではちょこちょこ小テストをしていますが。)

今日は同じ教科を担当する先生方とミーティングをする機会を頂きました。

やはり、今日も驚いてしまいました。

皆さんどうも日本語で英語を教えていらっしゃる・・・

私が学生の時代は、確かに日本人の英語の先生は日本語で英語を教えていただいていました。

でも、正直今のクラスはほとんど英語で行われているものかと思っていたのです。

面接のときの模擬授業も英語でやってくださいと言われたし・・・

そもそも、私のキャリアは英会話学校から始まったので、日本語で英語を教えるという経験はなく、頭にもありませんでした・・・

大学生の英語の授業を3年半ほど経験しましたが、英語で授業を進めてもほとんど問題になったことはありません

むしろ、みんな生き生きとしているような・・・

さらに、今の世界の英語圏以外の英語教育をみてみると、母国語で英語を教えている方が少数派のようです。

いろいろ考えましたが、英語を英語で教わると良いことは

  • リスニングの練習になる
  • 英語を日本語にして理解する時間がないので、英語を英語で理解できるようになる
  • そもそも母国語は母国語を聞いてだんだん理解できるようになる
  • 英語で授業を受けることにできることで達成感を感じられる

他にもたくさんあるような気がします。

なぜ日本語で英語を教えるのかお聞きすると

  • そもそも英語でどうやって教えていいかわからない。
  • 日本語の方が学生との関係が良くなる
  • 英語だけだと学生は理解できない

というようなお返事が返ってきました。

中には、日本人だから日本語で教える。という方も。

でも、日本人の先生が英語で話す姿が学生にとってのロールモデルになっていると思うのです。まさに、Tim Murphey先生が言うところの、Near Peer Role Modelです。

ネイティブのように話したい、という人はとても多いですが、そもそもネイティブにはなれません。

まず目指すのを「英語が上手な英語学習者」にすると、どうやってそこまでできるようになったのかを教えてもらったらかなり早く英語が上手になるような気がします。

いずれにせよ、恩師に相談すると、「英語で教え続けなさい」とみんな言うので、やり方を変えるつもりはありませんが、同じ教科でこうも違うと、大丈夫かな?ってちょっと不安になってしまいました。

 

英語プライベートティーチャーにお勧めシステム「Trello for TEFL」

昨日の暴雨から一転、今日は一日晴天が続きました!

朝からゆっくり今日のオンラインプライベートレッスンの準備を始めていましたが、なかなかいい教材が見つからず・・・

と、昔のResourceなどを物色していると、いいものが出てきました。

Trello For TEFLというオンライン教材です。

Jen Prestonさんが作ったこのシステム、おそらくあまり知られていないと思いますが、とても効率的です。

Trelloを使って、Teaching Materialを保存しておき、必要なものを取り出して使うシステムです。

CFERのレベルごとにまとまったResources

基本、最初にPlacement testを行い、その生徒さんが苦手な文法事項をピックアップしてシラバスを作成します

とにかく効率的!

また、彼女が作ったオンラインコースもプライベートレッスンをたくさんされている先生には断然お勧めです。

コースの作り方、売り方、契約書、請求書など、一通り網羅されているかと思います。

courses.vulingo.com

このサイトは2,3年前に見つけて感心したもので、機会があれば使おうと思っていたのですが、いざプライベートレッスンをやろうと思ったときにはすっかり忘れていました!!

今後大活躍しそうです。

【Teaching Diary】プレゼン直前クラスは暴風雨で始まる(苦笑)

金曜日、Project-based Language Teaching (PBLT)の一日でした。

来週から2週間にわたってプレゼンを行うため、今日は最後のクラスでのミーティングとなります。

今日のプラン

  1. プレゼンビデオを観て、メモを取るアクティビティ
  2. グループに分かれてプレゼン資料の仕上げ
  3. プレゼンリハーサル
  4. プレゼン順番決定

の予定でしたが、あの台風のような暴雨です・・・

1限では5人が遅刻。そりゃ仕方がない。

そんなこともあろうかと思い、ちょっとプランをかえて、先にグループごとにスライドやポスターを仕上げてもらい、後半にビデオアクティビティを行いました。

1. プレゼンビデオを観てメモを取る

このようなHandoutを準備しました。

Watch the video and take notes handout

ビデオは先日もご紹介した’Speaking of Speech’のDVDです。

marikoashton.hatenablog.com

このようなメモ取りは、自分のノートにやってもらうよりも、プリントに囲いがあって、その中に書きましょう、といったほうがみんなやる気になれることがわかりました!笑

メモを取ったあとはグループでシェアし、それぞれのセクション担当の人が他のメンバーをオーディエンス役になり、発表の練習をしていきました。

やはり、スピーチのモデルが有るのもわかりやすいですよね。

そういった意味で、このテキストは本当に素敵です。笑

2. グループに分かれて資料の仕上げ

今回は1チームだけポスターが良いというので、模造紙とマーカーを準備しました。

模造紙、懐かしい・・・

他のチームはパワーポイントが良いとのことでした。今どきの学生はパワポの作成もすっかりなれたもののようです。お互いに教えあって、素敵なスライドができていたように思います。

3. プレゼンリハーサル

通しでプレゼンのリハーサルをグループごとに行いました。

直前までやらないギリギリボーイズアンドガールズたちが多い中、1週間前にこれをやらされるのは苦痛な人もいるようでしたが、今からやっておくから本番緊張しないのになあ・・・と心のなかで思いながら、Encourageしていました。苦笑

4. プレゼンの順番決定

グループリーダーに前に出てきてもらい、準備していたトランプのカードを引いて順番を決めました。

8チームあったので、ダイヤのエースから8までを準備し、表を下にテーブルの上に混ぜて広げ、リーダーたちが引いた数字が順番です。

毎回思うのですが、単純な仕掛けなのにかなり盛り上がる瞬間です。笑

それにしても、ずっとオンライン授業だったので、久しぶりにトランプカードが活躍しました。

 

今日の授業はこんな感じで2クラス。

Elementary Levelの1年生のクラスはちょっと英語の授業に疲れが出てきているのか、若干元気がないように思いました。

こういう波があるところも、先生としては受け入れて、次回の授業のプランをしないとなと思う今日このごろです。

やっぱりTBLT(Task-based Language Teaching)が好き

T大学の授業でした。

水曜日は3限、4限の2コマで、最近は体力的にこれぐらいがちょうどいいなと感じてしまいます。苦笑

さて、アカデミックリスニングのクラスで、毎回3分前後のレクチャーやプレゼンテーションをノートを取りながら聞き取る練習をします。

いつも大体Note-takingの練習とComprehension questionsを行って、時間があればちょろっとディスカッションをして終わりなのですが、今日は「旅行会社が主催するVolunteer Vacationのプレゼンを聞き取る」というお題だったので、ここぞとばかりにTaskを考えて実践してみました。

Task

Imagine you work for a travel agency.

Plan a volunteer vacation in your group.

授業最後の30分かけて、グループワークとプレゼンを行いました。

やはり、ああやってグループであーだこーだ、日本語も入りますが、ディスカッションしていろいろと決めていく姿はとても頼もしいです

多くのクリエイティブなアイデアが発表されました。

やはり、私はTBLT(Task-based Language Teaching)が好きだなあと改めて確認させてもらえました。

ただ、課題もあります。

TBLTのFrameworkは
  1. Pre-task
  2. Task
  3. Post-task (Language focus)

なのですが、学習者の気持ちになると、何となくLanguage focusを先に行って、それを使ってTaskをしたくなるような気がするのです。

TBLTはあえてLanguage focusを後ろにもっていくのですが、それはなぜかというと、まず何も考えずに、自分が持っている英語力でタスクを達成することが第一なのです。

そして、Post-taskのLanguage focusは先生が学生のWeaknessを発見し、その文法やボキャブラリーを練習するのです。

これがなかなか・・・

  • 時間が足りなくなる。(プレゼンで盛り上がるから。苦笑)
  • フレキシブルに教材を事前に準備せずに教えるのはなかなか至難の業。

ということで、当面の間はLanguage focusを先に行ってTaskを最後に行う順番でやっていこうと思っています。

ふ、邪道と言われそう。でも、そこそこの授業にまとめることができます!!

 

こちら、ケンブリッジのWebinarですが、この不愛想な(笑)男の先生はTony Clark先生と言い、私がかつてケンブリッジ英検を目指していた時のBritish Councilの先生でした。どうやらたくさん研究されて、偉くなられたようです!!

youtu.be